デリケートな茶葉を大切に!
浅蒸し煎茶、深蒸し煎茶とは

煎茶の場合、摘んだばかりの茶葉は、 蒸熱→祖揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥の6工程で製造します。
蒸熱とはつまり、蒸気で蒸すことです。お茶の葉は酵素を持つため、摘んだあと放置すると、発酵してしまいます。茶葉自体の酵素で発酵したお茶は、ウーロン茶や紅茶などの発酵茶になってしまいます。

緑茶はこの酵素の働きを、蒸気で蒸すことによって抑えているのです。しっかり蒸さないと紅茶になってしまう…固い茶葉は長時間・やわらかい茶葉は短時間、生の茶葉の状態によって、適切な蒸時間が違ってきます。長時間蒸し過ぎると、せっかくの茶葉の繊維が壊れ、お茶の色は深緑色に濁り、 香りが飛んでしまう…蒸熱の工程は大変神経を使う工程です。そこで川根茶 松島園では、特注で製造した蒸機を使い、 当園栽培のデリケートなやわらかい茶葉にあった蒸熱をしています。

一般的に、蒸熱の時間が10秒から1分程度のものが浅蒸し煎茶と呼ばれ、 1分から3分程度蒸して製造するのが深蒸し煎茶と呼ばれています。昭和30年代にうまれた深蒸し煎茶が、日本の煎茶の流通の約8割を占めていると言われます。 深蒸しは日照時間の長い地域で育った固い茶葉には深蒸しが適していますが、当園のような気象条件で育ったデリケートな茶葉には、やはり浅蒸しが最適です。