「お茶の心は、もてなしの心」
「客の心になりて亭主せよ。亭主の心になりて客いたせ」と言ったのは、江戸時代の大名茶人、松平不昧(まつだいらふまい)でした。
亭主(お招きする側)が客(招かれた側)に心をこめてお茶を淹れる。 それは決して、のどの渇きを潤すためだけではありません。 亭主が淹れるお茶を客がいただく。 そこには、亭主が客を思ってもてなし、客は亭主のもてなしの気持ちを感じる、和やかで思いやりに溢れた時が流れます。
急須の中で茶葉がひらく時をゆっくりと待ちながら、亭主が茶碗にお茶を注ぐと、さわやかな香りともにピンと張っていた空気も和らぎ、客の心を癒し、温かい気持ちにさせます。 たった1杯のお茶で互いの心が通い合う贅沢なひととき。


待つ時間もお茶の味わい
何かと時間に追われる私たち現代人には、急いで飲めるペットボトルはとても便利です。されど、たまには身も心もリラックスさせるリーフのお茶でゆったりとした時間を心ゆくまで過ごしてはいかがでしょうか。急須の中でゆっくりと茶葉が広がる時を待ちながら、他愛もない会話を交わすひととき。湯を注いだ瞬間から段々と広がるお茶の香りと共に心が和みます。茶碗に注がれたお茶が「一息つこうよ。」と言わんばかりの、和やかで贅沢なひとときがそこにあります。茶葉の広がりを待つ時間もまたお茶の味わい。欲しい物を手軽に買えるコンビニ文化の現代だからこそ、川根茶の旨味を楽しむとともに、じっと待つ時間の良さを味わっていただけたらと思います。